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胃のがん

胃がんとは

胃の壁は大きく分けて内側から粘膜層、粘膜下層、固有筋層、漿膜(しょうまく)下層、漿膜と呼ばれる層構造になっています。胃がんはその内の粘膜層(胃の中の表面)に出来る悪性の腫瘍のことを言います。良性のポリープと異なり、大きく成長していきます。進行するとより深い層へと進んでいき、一番外側にある漿膜の外にまで飛び出して隣接した臓器(膵臓(すいぞう)など)にまで達することもあります。
このようにがんが直接広がっていくことを浸潤(しんじゅん)と呼びます。がんが胃の壁の外に飛び出した場合、がん細胞がお腹の中に散らばってしまうこともあり、これを腹膜播種(ふくまくはしゅ)と呼びます。また、がん細胞は血流やリンパ管を伝って流れていき肝臓や肺、リンパ節などに留まることがあります。このように離れた臓器にがんが移ることを転移と呼びます。

患者数

2017年には日本で約135,000人が胃がんと診断されています。がんの部位別に分けると男性では前立腺がんに次いで2番目に多く、女性では4番目でした。2019年における部位別のがん死亡者数では男性で肺がんに次いで2番目、女性では4番目でした。

原因

ほとんどはヘリコバクターピロリ菌(単にピロリ菌と呼ばれることが多いです)の感染が原因になります。免疫の確立していない幼いころに親などから感染します。免疫の完成している大人になってからの感染は少数と言われています。
感染してしばらくすると慢性胃炎(萎縮性胃炎)となり、そこからさらに時間がかかって胃がんが発生します。(まれにほとんど慢性胃炎のない状態から胃がんが発生することもあります。)

症状

胃痛、食欲低下、違和感などが主な症状です。症状は必ず出るわけではなく、また特別な症状があるわけではないので注意が必要です。
早期がんでは無症状の方も多く見られます。進行がんは比較的出血しやすく、吐血をしたり黒い便(血液中の鉄成分が胃液と混ざって変色して黒くなる)が出たりすることもあります。

検査

現在はほとんどの胃がんが胃カメラで発見されています。早期胃がんであれば超音波内視鏡を使ってどの程度深く浸潤しているかさらに詳しく調べることもあります。より進行したがんであればCT検査などを行って浸潤の程度、転移の有無などを確認し進行度を診断します。

治療

早期がんと進行がんによって治療方針が大きく分かれます。そもそも早期がんとは浸潤が粘膜下層(内側から2層目、粘膜層の下)までのもの、進行がんとはそれより先の固有筋層(内側から3層目)より深く浸潤しているものを指します。

原則的には早期胃がんの内、粘膜層までの浸潤にとどまっている場合には内視鏡治療が推奨されています。粘膜下層まで浸潤したがんの場合は、そのほかの要因によって内視鏡治療か外科手術かを判断することになります。

進行がんの場合は遠隔転移(肝臓、肺など胃から離れた臓器への転移。胃の周囲のリンパ節転移は含みません。)の有無が重要になります。遠隔転移がなければ原則的には外科手術で治療することが推奨されています。残念ながら遠隔転移が見つかった場合は抗がん剤治療(化学療法とも呼ばれます)がメインの治療方法になります。
現在は抗がん剤にも多数の種類があり、患者さんの状態などから適切な抗がん剤が選択されます。

引用:
胃癌治療ガイドライン2018年1月改定 第5版
国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(全国がん罹患モニタリング集計(MCIJ))

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