消化器内科
消化管領域においては早期消化管がんの内視鏡治療を、胆膵領域においては特に膵臓がんや胆道がんの早期診断と治療を最大の目標として日々の診療を行っております。
当科におけるがん治療の特色
早期消化管がんに対する内視鏡治療、進行がんに対する外科・腫瘍科・放射線治療部とのキャンサーボード(合同会議)を経た集学的治療の提案と、専門性が高く体への負担の少ない内視鏡治療によるQOLの維持に取り組んでいます。
消化管がん治療について
当科では複数の処置具を病変ごとに選択し、大きさや線維化などで一般的に切除が難しい腫瘍に対しても合併症の小さい内視鏡治療を行っています。特にSBナイフというハサミ型ナイフを中心に治療を行っており、一般的に内視鏡治療での術中穿孔率は消化器内視鏡学会ガイドラインでは胃で2.3%程度、大腸で2~14%程度と報告されていますが、当科では2016~2019年で胃で0.6%、大腸で0.9%と非常に高い安全性を持った治療を達成しております。
胆膵がん診療について
当科は胆膵疾患に関する内視鏡検査数は、神奈川県内、東京都内でもトップクラスの症例数を扱っております。他院での治療困難例の転院治療やご紹介なども多く受け入れております。
また、診断が難しく治療成績が悪いとされている膵臓がんの克服に向けては、「膵臓がん早期診断プロジェクト」を立ち上げ、地域のクリニックの先生方と共同した膵臓がん早期診断に向けた取り組みを行っております。
特に現在の胆膵疾患の早期診断に必須である超音波内視鏡(EUS)検査は内視鏡医の技量によるところが大きいと言われていますが、当科では令和元年で年間876件と近隣施設と比較して非常に多数の経験を有しており、患者さんのお役に立てる分野であると考えています。
患者さんへの一言
消化器がんは、体全体の各がんの中でも頻度が高く、多くの方がご本人やご家族などの身近に遭遇する病気です。早期発見と治療が第一目標ですが、患者さんごとに最善な治療法、生活の質の維持を目指した治療の提案と実現を行っていきます。