原発不明のがん
原発不明がんとは
原発不明がんは、すでにがん細胞が見つかっているのにも関わらず、さまざまな検査を行ってもどの臓器に発生した(原発臓器)ものか判明しないものです。その頻度についてさまざまな報告がありますが、がん全体の1〜5%程度とされています。この頻度は、今後診断技術が向上することにより低くなっていく可能性があります。
原発不明がんの問題点は、1)診断時に進行がんであることが多い、2)原発臓器がわからないために、最適な治療方針を決めづらいことです。
原発不明がんの治療
原発不明がんの治療を決める際に、大きく下の二つのグループに分かれます。病気の状態により体調が良くないときには、がんの治療を行わずにつらい症状を和らげる緩和治療が選択されることもあります。
1)がん細胞の性質や腫瘍の場所などにより、原発臓器が推定できるもの
この場合、推定される原発臓器(乳がんや卵巣がんなど)に準じた治療を行います。病気の状況によっては治癒をめざせることがあります。
2)原発臓器の推定ができないもの
この場合は複数(通常2種類)の抗がん剤を併用して治療します。