放射線治療は手術、化学療法と並ぶがんの3大治療法の1つです。

がんの種類と進行度によっては放射線治療単独で根治できる場合もありますし、薬物療法や手術と組み合わせて腫瘍縮小や再発予防をめざしたり、それでも根治困難な場合は症状緩和をめざしたりと幅広い場面で用いられます。

放射線治療は部位や回数にもよりますが、他の治療法と比べると比較的体の負担が軽く、高齢や体調不良の方でも治療できる場合が多いのが特徴です。

悪性腫瘍全般（乳がん、前立腺がん、肺がん、頭頸部がん、食道がん、膵臓がん、直腸がん、膀胱がん、子宮がん、悪性リンパ腫など）

基本的な治療方針は現時点での診療ガイドライン等標準治療をふまえつつ、患者さんごとに異なる背景にも配慮して、医師と診療放射線技師、看護師で相談しながら一人一人が満足できる治療をめざしています。

疾患別では乳がん患者さんが最多なため、女性の診療放射線技師も配置しています。また、医師の診察以外に看護師も定期的に介入し、診察ではゆっくり相談しにくいスキンケアの方法や治療時間変更の希望など細かな相談事にも対応しています。

また、放射線治療は平日毎日の治療を何週間か続けて行う場合が多いので、通院しやすさも大切です。当院がご自宅や職場に近かったり、通勤途上にあるのであれば、手術は他の病院で受けたけれど術後の放射線治療だけを当院で行い、治療終了後は元の病院に戻られる方も大勢おられます。

放射線治療は装置の技術進歩が著しい世界ですが、がんを完治させるために最も大切なことは、最先端の治療法よりもいかに早期発見して早期治療するかにつきます。どれだけ技術が進歩して「体にやさしい治療法」が開発されても、がんは進行するほど完治も難しくなるのが現実です。忙しい日々の合間にも時々はご自分の体の声に耳を傾けてあげて下さい。

一昔前の放射線治療のイメージは手術できない人が行う「治らない治療」でしたが、最近では治るがんも増えてきました。残念ながら治らない場合でも、がんによる痛みやつかえを和らげることで少しでも辛くなく日々過ごせるようにするのは放射線治療が最も得意とする分野です。
がんで困っている症状があるなら、放射線治療にできることはないか話だけでも聞きに来て下さい。