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乳腺外科

“一人の乳がん患者”ではなく
”一人の人生“に向き合い、治療に取り組む

当科のがん診療

日本における乳がんの罹患者数は年間10万人といわれますが、その一方で、85%の乳がん患者さんは病気を克服して「もとの人生」へ戻ることができるようになりました。
しかし、がんにかかることの影響は決して小さくありません。これまでの家庭での役割や、仕事を続けることが難しくなるなど、治療と同時に、仕事・ライフイベント、そして場合によっては外見的な変化や経済的な負担など色々な問題が発生するかもしれません。

当院の「乳がん診療」は、見つかったがんを治すではなく、患者さん一人一人のがんの治療期間や、治療が終了した後の人生を考え、一緒に治療法を検討していくことから始まります。

乳がんの治療法

乳がんの治療法には主に手術治療、薬物治療(化学療法〔抗がん剤治療〕、ホルモン療法、分子標的療法)、放射線治療といったものがあり、患者さん毎にこれらを組み合わせた治療を行います。

治療方針は患者さんごとに異なりますが、まず大きな基準となるのは、その乳がんが「非浸潤(ひしんじゅん)がん*1」か「浸潤(しんじゅん)がん*2」か、ということです。

*1.非浸潤がん…がん細胞が乳管内にとどまっているもの
*2.浸潤がん…がん細胞が乳管や小葉外(間質)までひろがっているもの

また、初めての乳がんと、転移や再発した乳がんでも、治療方法が違ってきます。

当科のがん治療の特色

乳腺外科を中心として構成された「包括的乳腺先進医療センター(ブレストセンター)」で「患者中心の乳がん診療」に取り組んでいます。
“包括的”という言葉には、“医師による治療だけではなく、看護師・薬剤師をはじめとしたメディカルスタッフによる支援”という想いが込められています。

がん診療への思い

患者さんが治療後にどのような人生を送りたいのかを十分に考慮し、一人ひとりの患者さんに適した治療の提供を目指しています。

例えば、妊娠を強く望む方には抗がん剤治療の前に、受精卵を凍結して妊孕性(にんようせい:妊娠する能力)を温存したり、乳房を残したい方には乳房再建を推奨したりするなど、患者さんの希望に合わせて治療プランを組み合わせるようにしています。

患者さんへの一言

乳がんは適切な治療を受けることで、治る可能性の高い病気です。

乳がんと診断されても必要以上に焦ったり不安に思ったりせず、乳がんが治ることを前提に、その後どのように生きていきたいかを考え、自分の人生で大切にしたいことを忘れずに治療を受けていただきたいと思います。

ご家族や主治医、看護師、薬剤師などいろんな人と相談しながら、一緒に進んでいきましょう。

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